素数大富豪 合成数出し戦術を考えたい

この記事は素数大富豪アドベントカレンダー8日目の記事です。

7日目はnishimuraさんの「マスプライム杯2021振り返りなど」でした。
マスプライム杯優勝おめでとうございます!

はじめに

今よく使われている合成数はおばけ*1と1,2桁の小さな合成数だけです。
おばけ以外の合成数出しも戦術に取り入れたいと思ったのですが、いきなり具体的な戦術を考えるのは難しいです。
そこで、合成数の特徴を整理して戦術を作る糸口を探っていきたいと思います。
注) この記事は具体的な素数合成数はほとんど登場しません。ご了承ください。

使いやすい素数とは

そもそも素数大富豪において使いやすい素数の特徴はなんだと思いますか?
人によって様々な考え方があると思いますが、私は

  • 1. 強い
  • 2. 手札にある確率が高い
  • 3. 覚えやすい

の3つが大事だと考えています。

  • 1. 強い
    • 手番を取るときや組み切りの軸としてかなり重要な数。
      各枚数ごとに1番強い素数を挙げておきます。

枚数 通常時 革命時
2 QK AA
3 KKJ A0A
4 KJQJ A009
5 KKQKJ A0037

  • 2. 手札にある確率が高い
    • 使うカードの重複の少ない組み合わせや、余りがちな偶数をうまく消費できる素数。組み切るときや、とりあえず何か出しておきたいときに使えます。
  • 3. 覚えやすい
    • 手札にあれば強い素数。4つ子素数や語呂素数が代表的。組み切るときや、とりあえず何か出しておきたいときに使えます。

使いやすい合成数

前章で挙げた3つの使いやすい素数の特徴から、使いやすい合成数を考えていきます。

  • 1. 強い
    • これは最初にも少し触れたおばけ等が当てはまります。
      各枚数ごとに1番強い合成数を挙げておきます。

枚数 通常時 革命時
2 KK=K*TA A0=2*5
3 KKK=3*7*K^2*37 A00=T^2
4 KKKK=K*73*TA*K7 A00A=J*K*A7
5 KKKKK=A3*4A*27A*909A A00AA=3*47*7A

  • 2. 手札にある確率が高い
    • 素数と同様、使うカードの重複の少ない組み合わせや、余りがちな偶数をうまく消費できる合成数

      •  486=2\times3^5など重複の少ない合成数
         64=2^6などの2の冪乗
         5^4=625などの5の冪乗
  • 3. 覚えやすい

合成数出しの特徴

どんな合成数出しの特徴が戦術に活かしやすいかわからないので、思いつく限り列挙していきます。

  • メリット
    • 1. 切り札として使う絵札(革命時はAとX)の必要枚数が減る
      • 素因数場でカードを消費できるため。
    • 2. 同じ組み合わせで、複数の枚数で出すことができることがある
    • 3. 組み切りの方法が増える
    • 4. 相手の意表をつける, 相手の手を狭めることが出来る
      • 「まだ組み切れてないだろう」と相手に思わせて合成数出しであがる。
        もしくは、相手に合成数出しを警戒させて相手の手を狭める。
    • 5. 多枚数出しの必要性が下がる
      • 素因数場でカードを消費できる。メリット4が多枚数出しを使うメリットと近い。
    • 6. 山札に絵札を埋めやすくなる
      • 素因数場で使ったカードは、合成数を出した直後に山札に加えられるため。
    • 7. 素数出しは出来ないが、合成数出しはできる組みが存在する
      • 例)
         4=2^2
         9=3\times3
         Q8=2^7
  • デメリット
    • 1. 合成数出しができない組が多い
    • 2. 覚えにくい
    • 3. 素数出しで良い場面がある
    • 4. カマトトで素因数場で使った手札をとられる
    • 5. 探索が難しい

戦術

前2章で考えたことを元に戦術を考えていきましょう。
便宜上以下の記号を定義します。

  • 凡例
    •  P_n: n枚出しの素数
    •  C_n: n枚出しの合成数
    •  \alpha_n: n枚出しで相手から返されない強さの素数
    •  OK_n: n枚出しで相手から返されない強さの合成数
      (OverKJQJの略だが、おばけ以外の相手から返されない強さの合成数すべてを含む。)
    •  ","(カンマ): 区切り。間に相手に数を出されていてもよいことを表す。
    •  "/"(スラッシュ): 区切り。間に相手に数を出されていないことを表す。
    •  "\#"(シャープ): 直前の数を出して勝利したことを表す。
  • 組み切り戦術(先手で手札有利のときに使いやすい)
    • 1. おばけを使った組み切り(メリット1,5)
      • 例)  P_4, P_4, OK_4/ P\#
    • 2. 少枚数でのラリー戦術(メリット1,5)
      • 例)  C_n, C_n, ..., OK_n/ P\# (n=2,3)
        相カマトト後に先手が組み切るためには絵札が8枚程度必要になることが多いが、この方法で組むために必要な絵札の枚数は2,3枚。
  • ブラフ戦術(後手や手札不利のときに、勝ち筋を残すために使う)
    • 1. ブラフを含む組み切り(メリット3,4)
      • 例)  P_n, C_n\#
        一般的な二刀流戦術、
         P_n, \alpha_n/ P\# (二手目に相手がカマトトしなかったとき)
         P_n, P\alpha_n\# (二手目に相手がカマトトしたとき)
        や、ブラフ戦術、
         P_n/ P_m\#
        の上位互換。
    • 2. 手札に複数の枚数の全出しができる組み合わせを残す。(メリット2,4)
      • 例) 手札: A2379K
        この組み合わせは以下の3つの全出しができる。
         973A2K
         2A97=K^3
         923=K\times71

そのため、相手が小さい3,4,6枚出しをしてきてくれれば勝つことが出来る。
また、相手にこの戦術を警戒させて相手の手を狭めることが出来るかもしれない。

おわりに

今日は合成数出しの可能性を探ってきました。
今後は本記事で考えたことを元に、

など、具体的なことを調べたいと思っています。

9日目は二世さんの「素数大富豪の教え方 - にせいの日記」でした。
私も家族に素数大富豪を布教したいと思っているので参考になりました!

*1:OverKJQJの略。n枚出し最大素数より大きなn枚出し合成数のこと。